■原書
”The Promise" Damon Galgut (Vintage, 2021)
■評価
ジャンル:文学
面白さ:★★★☆☆
難易度:★★★★☆
レベル:TOEIC L&R 850~ 英検準1級~
所要時間:11時間(ネイティブスピード:-時間程度)
■感想
2021年ブッカー賞受賞作品。「意識の流れ」を駆使した作品で、コロコロと視点が変わります。特に、葬式の場面がメインの第1章 (Ma)は登場人物が多く、誰がメインキャラクターか分からない状態で読み進めないといけません。「意識の流れ」という技法も、あとで調べて理解した次第で、初見だと頭が追い付きませんでした。また、セリフに括弧を使わないという文体も独特で、最初は面食らいました。第2章 (Pa)からは少し慣れてきたものの、気を抜くと誰の話だっけ?となってしまいました。
南アフリカ共和国の社会と、その国で生きる白人女性Amorの家族の死、そして家族と女中とのあいだで交わされたとある「約束」の物語です。全体的に暗い雰囲気のお話でした。水が流れるかのように人が次々と死んでいくところは、以前紹介した、”By The Sea”に似ていると感じました。どちらもアフリカが舞台の物語です。
■一文紹介
‐ You are what you are, even if ratness is your fate. ‐(154頁)
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